いつも氷川きよしの作品を聴いていただき、本当にありがとうございます。
今回、2021年、令和3年を感じて作らせていただいたニューアルバム『南風吹けば』が6月8日に発売になります。
新曲「南風」をフィーチャーして、オリジナル12曲を収録。この困難な時代に、少しでも人の気持ちに寄り添う、希望を感じられる作品、アルバムになればと思って作りました。
1年半ぶりの演歌・歌謡曲主体のアルバムなので、久しぶりの「ザ・演歌」みたいな作品も収録しています。
聴いていただくと、「よし頑張ろう」って思ってもらえる内容になったんじゃないかなって思います。
本当に真心こめて作らせていただいたニューアルバム『南風吹けば』、世代を問わず、ぜひ多くの方に聴いていただきたいと思います。
(氷川きよし)
1.南風
最新シングルの「南風」です。この曲は聴いてくれる方の背中をそっと押してくれるような、そっと寄り添うような、「今日も頑張らないとな」という前向きな気持ちにさせてくれる楽曲だと思います。
この曲でさわやかな気持ちになってもらって、また明日が待っているんだという希望を想像していただきながら聴いていただければと思います。
(氷川きよし)
2.そこまで春が…
「男の絶唱」(2017)のBタイプのカップリングとして発売した楽曲です。今年は東日本大震災から10年。
一口に10年と言っても、家族を亡くされた方や家をなくされた方、本当につらい想いをされた方のことを感じて、この10年の想いというものを少しでも歌い手として伝えることができたらいいなという想いで、この「そこまで春が」を入れさせていただきました。
最後に歌う「楽しかったよ」は、亡くなってしまった人に対する感謝や、そばにいてくれた人に対する感謝が表現されていて、すごく心が温かくなる楽曲です。
(氷川きよし)
3.出発
「櫻」(2012)のAタイプのカップリングとして発売した楽曲です。昨年の12月23日に亡くなられたなかにし礼先生が東日本大震災のことも踏まえて詩を書かれ、「ここからがスタート、どんなに辛いことがあってもそこからまた立ち上がって、常に生きて、前に進んでいかなければならない」、そんな想いが込められた作品だと思います。
すごく温かい、いろんなことを教えられる楽曲です。この歌詞の中にある「子供たちと手をつなぎ 櫻をかこんで歌う」というフレーズがとても好きで、いろんな悲しみを希望に変えてくれる曲、それがこの「出発」だと思います。
なかにし礼先生、平尾昌晃先生、お二人に書いていただいたとても素敵な作品なので、アルバムにあらためて収録して、たくさんの方に聴いていただいて大切にしていきたいと思います。
(氷川きよし)
4.筑後川
筑後川はとても穏やかな川なのですが、昨年、自然災害でとても多くの方が亡くなられました。歌い手として何か伝えることができたらいいなと思い、九州・福
岡出身の自分が「筑後川」というテーマで麻こよみ先生に歌詞をお願いして、水森先生に曲をつけていただきました。
とても温かい詩をいただきました。すごく穏やかな気持ちになれる演歌になっています。「演歌」っていいなって思える曲です。
(氷川きよし)
5.みちのく恋女
こちらも東日本大震災のこともあって、東北の方々に寄り添えるような楽曲をと思い、「みちのく恋女」という女性の心を歌った3連の楽曲になっています。東北6県が歌詞の中に出てくるのですが、それぞれの土地、東北のことを想いながら聴いていただきたい歌謡曲になっています。
(氷川きよし)
6.澄海岬(すかいみさき)
北海道の歌です。北海道というと、景色もいいし、土地も広いし、すごく元気になる場所なんですが、その北海道のきれいな海、スカイブルーの海がある澄海岬を歌わせていただきました。
フォークタッチの歌謡曲の作品です。好きな人と澄海岬に行ったけど、今は一人で来ていて、切なくなっているというストーリーですごく胸がキュンとなる一曲になっています。
(氷川きよし)
7.五島の船出
長崎の五島列島、すごくいいところで、以前お仕事で行かせていただいたんですけど、この五島が大好きな喜多條先生に詩を書いていただきました。すごくリアルに描かれている「ザ・男の演歌」という作品で、一人の主人公の男性を演じて歌わせていただいています。
しみじみと「演歌がいいな」と思えるのは、本当にこう海の匂いがして、土っぽい演歌っていうか、このアルバムのキャッチが「演歌の神髄を感じるアルバム」なのです が、この曲がまさにそうじゃないかなっていう感じの気持ちのいい演歌になっています。
(氷川きよし)
8.明日への道
「ちょいときまぐれ渡り鳥」(2014)のAタイプのカップリングとして発売した楽曲です。こちらも今だからこそ伝えたい作品。デビュー15周年の決意を込めた楽曲で、それから20周年を経て、今の自分の心情も重ねて収録しました。
この今の世の中、皆さん、前向きに明日への道を考えながら、知恵を湧かせながら、乗り越えて、それぞれの人が励ましあいながら生きていると思うんです。そんな時代を感じてこの曲を入れさせていただきました。
(氷川きよし)
9.千年先までも
歌は何のためにあるのかというと、やっぱり「愛」を伝えるためにあると思うんです。世界を平和にするためにあると思うんです。「千年先までも自分は愛しているという永遠の愛」、そういったものが表現されている楽曲です。
レーモンドさんはカラオケで歌いたいなと思うメロディを作ってくださる方で、この曲も魅力的な楽曲となりました。
(氷川きよし)
10.紫のタンゴ
この曲は以前、
「ボヘミアン・ラプソディ」の日本語訳をしてくださった湯川れい子先生が書いてくださいました。サビの「男も女もないのさ」と、一人の人だけを愛せればいいという気持ちだったり、本当にそこには愛があって、素直な愛だったりすることが表現されていて、今の時代だからこそ、伝えられる人間の深い部分だと思います。
年齢、性別を越えて、多くの方に聴いていただければと思っています。これからの時代に合った作品なのかなと思います。
(氷川きよし)
11.星空のメモリーズ
これは人生を振り返って、どう生きれたかなとかそういうことが表現されています。40歳を過ぎたからこそ、説得力のある歌なんだなと感じています。
水森先生が、このレコーディングした音源を聴かれたときに、「今までの作曲家人生で、3本の指に入る楽曲になった、すごくいい作品なんだ」と言われて、すごくうれしかったです。この作品は実は一日で水森先生が作ってくださったんです。このアルバムの中でもすごく好きな曲。10年20年後も歌える、大人の歌謡曲ですね。
これも皆さんに是非聴いていただきたい一曲です。
12.大地の子守唄
最後に収録したかった楽曲。コロナ禍だから伝えたい言葉が並んでいて、優しくて温かい、スケールの大きな作品をいただきました。
この曲は欧陽菲菲さんの「ラブ・イズ・オーヴァー」を作られました伊藤薫先生に曲を作っていただいて、朝倉翔さんに詩を書いていただきました。
寝る前に聴いて、また明日頑張ろうと思って眠りにつけるようなそんな風に聴いていただきたい楽曲です。
(氷川きよし)