[副](主に「かく」と対比した形で用いられ)あのように。
「上つ瀬に生ふる玉藻は下つ瀬に流れ触らばふ玉藻なす—寄りかく寄り」〈万・一九四〉
【1】[副助]種々の語に付く。
1 (疑問語に付いて、または「…とか」の形で)不確かな意を表す。「どこ—で会った」「彼も来ると—言っていた」
2 疑いの気持ちで推定する意を表す。「心なし—顔色がさえないようだ」「気のせい—彼女のひとみがぬれているように思われる」
3 (「かもしれない」「かもわからない」の形で、または「かも」の形で終助詞のように用いて)不確かな断定を表す。「急げば間に合う—もしれない」「やってはみるが、だめ—もわからないからね」
【2】[終助]文末にある種々の語に付く。
1 質問や疑問の意を表す。「君も行きます—」
2 反語の意を表す。「いいかげんな意見にどうして賛成できよう—」
3 難詰・反駁(はんばく)の意を表す。「そんなこと知るもの—」
4 勧誘・依頼の意を表す。「そろそろ行こう—」「手伝っていただけません—」
5 (多く「…ないか」の形で)命令の意を表す。「はやく歩かない—」「よさない—」
6 驚きや感動の気持ちを表す。古語では、多く「も…か」の形をとる。「だれかと思ったら、君だったの—」「なかなかやるじゃない—」
「浅緑糸よりかけて白露を珠(たま)にもぬける春の柳—」〈古今・春上〉
7 引用した句の意味やある事実を確かめ、自分自身に言い聞かせる意を表す。「急がば回れ—」「そろそろ寝るとする—」
【3】[並助]
1 (「…か…か」または「…か…」の形で)いくつかの事物を列挙し、その一つ、または一部を選ぶ意を表す。「午後からは雨—雪になるでしょう」
「都へのぼって、北野—、祇園—へ参ったとみえて」〈虎明狂・目近籠骨〉
2 (「…かどうか」「…か否か」の形で)疑いの意を表す。「公約が実現される—どう—」「資格がある—否—が問題だ」
3 (「…か…ないかのうちに」の形で)ある動作と同時に、または、引き続いて、別の動作の行われる意を表す。「横になる—ならない—のうちに、もういびきをかいている」
4 (「…か何か」「…かどこか」「…か誰か」の形で)最初の「か」の上にある語と類似・同類のものである意を表す。「ライター—何—火をつける物を貸して下さい」「喫茶店—どこ—で話をしませんか」
【4】[係助]体言・活用語の連体形・連用形、副詞、助詞などに付く。上代では活用語の已然形にも付く。
1 文中にあって係りとなり、文末の活用語を連体形で結ぶ。
㋐疑問を表す。
「かかる道はいかで—いまする」〈伊勢・九〉
㋑反語を表す。
「桃李(たうり)もの言はねば、たれとともに—昔を語らむ」〈徒然・二五〉
2 文末用法。
㋐疑問を表す。
「石見(いはみ)のや高角山の木の間よりわが振る袖を妹(いも)見つらむ—」〈万・一三二〉
㋑反語を表す。
「心なき鳥にそありけるほととぎす物思ふ時に鳴くべきもの—」〈万・三七八四〉
㋒(「(も)…ぬか」「(も)…ぬかも」の形で)願望の意を表す。…てくれないものかなあ。
「わが命も常にあらぬ—昔見し象(きさ)の小川を行きて見むため」〈万・三三二〉
[補説]【4】の「か」は、係助詞「や」と違って疑問語を含む文にも用いられる。中世後半になり、係り結びが行われなくなるとともに両者とも本来の性質を失い用いられなくなり、「か」は副助詞、さらに江戸時代以降は並立助詞としての用法も一般化する。また、「か」は「や」の衰退に伴ってその文末用法を拡大し、現代の終助詞としての用法に引き継がれている。
[接頭]主として形容詞に付いて、意味を強め、語調を整える。「—弱い」「—細い」「—黒い」
「上つ瀬に生ふる玉藻は下つ瀬に流れ触らばふ玉藻なす—寄りかく寄り」〈万・一九四〉
【1】[副助]種々の語に付く。
1 (疑問語に付いて、または「…とか」の形で)不確かな意を表す。「どこ—で会った」「彼も来ると—言っていた」
2 疑いの気持ちで推定する意を表す。「心なし—顔色がさえないようだ」「気のせい—彼女のひとみがぬれているように思われる」
3 (「かもしれない」「かもわからない」の形で、または「かも」の形で終助詞のように用いて)不確かな断定を表す。「急げば間に合う—もしれない」「やってはみるが、だめ—もわからないからね」
【2】[終助]文末にある種々の語に付く。
1 質問や疑問の意を表す。「君も行きます—」
2 反語の意を表す。「いいかげんな意見にどうして賛成できよう—」
3 難詰・反駁(はんばく)の意を表す。「そんなこと知るもの—」
4 勧誘・依頼の意を表す。「そろそろ行こう—」「手伝っていただけません—」
5 (多く「…ないか」の形で)命令の意を表す。「はやく歩かない—」「よさない—」
6 驚きや感動の気持ちを表す。古語では、多く「も…か」の形をとる。「だれかと思ったら、君だったの—」「なかなかやるじゃない—」
「浅緑糸よりかけて白露を珠(たま)にもぬける春の柳—」〈古今・春上〉
7 引用した句の意味やある事実を確かめ、自分自身に言い聞かせる意を表す。「急がば回れ—」「そろそろ寝るとする—」
【3】[並助]
1 (「…か…か」または「…か…」の形で)いくつかの事物を列挙し、その一つ、または一部を選ぶ意を表す。「午後からは雨—雪になるでしょう」
「都へのぼって、北野—、祇園—へ参ったとみえて」〈虎明狂・目近籠骨〉
2 (「…かどうか」「…か否か」の形で)疑いの意を表す。「公約が実現される—どう—」「資格がある—否—が問題だ」
3 (「…か…ないかのうちに」の形で)ある動作と同時に、または、引き続いて、別の動作の行われる意を表す。「横になる—ならない—のうちに、もういびきをかいている」
4 (「…か何か」「…かどこか」「…か誰か」の形で)最初の「か」の上にある語と類似・同類のものである意を表す。「ライター—何—火をつける物を貸して下さい」「喫茶店—どこ—で話をしませんか」
【4】[係助]体言・活用語の連体形・連用形、副詞、助詞などに付く。上代では活用語の已然形にも付く。
1 文中にあって係りとなり、文末の活用語を連体形で結ぶ。
㋐疑問を表す。
「かかる道はいかで—いまする」〈伊勢・九〉
㋑反語を表す。
「桃李(たうり)もの言はねば、たれとともに—昔を語らむ」〈徒然・二五〉
2 文末用法。
㋐疑問を表す。
「石見(いはみ)のや高角山の木の間よりわが振る袖を妹(いも)見つらむ—」〈万・一三二〉
㋑反語を表す。
「心なき鳥にそありけるほととぎす物思ふ時に鳴くべきもの—」〈万・三七八四〉
㋒(「(も)…ぬか」「(も)…ぬかも」の形で)願望の意を表す。…てくれないものかなあ。
「わが命も常にあらぬ—昔見し象(きさ)の小川を行きて見むため」〈万・三三二〉
[補説]【4】の「か」は、係助詞「や」と違って疑問語を含む文にも用いられる。中世後半になり、係り結びが行われなくなるとともに両者とも本来の性質を失い用いられなくなり、「か」は副助詞、さらに江戸時代以降は並立助詞としての用法も一般化する。また、「か」は「や」の衰退に伴ってその文末用法を拡大し、現代の終助詞としての用法に引き継がれている。
[接頭]主として形容詞に付いて、意味を強め、語調を整える。「—弱い」「—細い」「—黒い」