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笙惟:あ、俺に他意はないって分かってくれてからは、大丈夫だった。それに、ここ半年くらいで、大分丸くなったし。
和辉:
あ。
笙惟:ブラコン。
和辉:なんだよ。
笙惟:いや、まあ、気持ちやわかるけどね。
瀬里ちゃんかわいいもんな、见てるとなごむ。
和辉:ちょっ、瀬里にはてぇ
出すなよ、绝対。
笙惟:はあ?はははは。そりゃないない。大智君相手に张り合う気はないし。
和辉:てめーいちいちむかつくなあんた。。。
笙惟:あんたって
ね、目上は敬えよ。ま、とりあえず、からかって悪かったよ、さっきも。それと、この间もな。
和辉:一応自覚はしてたわけ?しかとしたのも。
笙惟:だって、
あの场で久しぶりーなんつって、周りに突っ込まれたらどうすんの?
和辉:一年前にナンパして食って弄んだおとこですっていえば?
笙惟:そうりゃいい、素晴
らしく端的な事実だ、ははは。。。
和辉:もう。
笙惟:しかし、一年前って、ずいぶんちゃんと覚えてたんだなあ。
和辉:なんだよ、わるいかよ。縁があったら
会えるって言ったよな。じゃあんたとの縁はあったんだろう?
笙惟:そんなことまで覚えてんのか。
和辉:年寄りと违って记忆力はいいんだよ。
笙惟:年寄り言
うな、くそガキ。
和辉:あんたが自分で言ったんだろ?あと、ガキっていうな。和辉だ、宫上和辉。
笙惟:もう知ってるよ、ボク。だったらあんたってのもやめ
な。
和辉:じゃそっちは?笙惟って本名?
笙惟:そう。大泽笙惟。大きいにややこしい字の泽、それに、雅楽の笙と惟光の惟。
和辉:ずいぶん雅やかだな。
笙
惟:やっぱお前いいね、気に入った。
和辉:だからお前言うなっつの。
和辉:惟光とは、源氏物语に出てくる従者の名前、俗で男芸者の异名としても使われて
いる。俺の知识を试すための皮肉なのか、それとも自虐なのか、こんな捻くれた物言いなのに、触れてくる指はどうして、こんなに甘いのだろ。
笙惟:おい、路上でさかるな。
和辉:うるせえよ。
笙惟:そんなにやりてえの?
和辉:うん。
笙惟:そういうとこは、変わってねえな。じゃいいよ、游んでやるから。おいで、和辉。